心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーションとは
心不全、急性心筋梗塞、心臓手術後などの患者さんは、心臓の機能が低下することで、息切れや体力低下など様々な症状を呈します。そのため、入院加療後、無事に退院できたからといって、すぐに元の日常生活や社会活動はできません。また、「どのくらい体を動かして大丈夫なのか?」といった疑問や外出や屋外活動への不安を持つ方も多くいらっしゃいます。
心臓リハビリテーションとは、心臓血管病の患者さんが発症によって低下した体力を回復し、自信を取り戻すとともに、社会生活に復帰することを目指して行う約5ヶ月間の包括的治療プログラムのことです。 それぞれの専門職が連携し合い、患者さんのニーズに合わせて介入していきます。
心臓リハビリテーションにはどのような職種がかかわるのか
心臓病を一度発症した患者は、同じ病気を再度発症する危険性が高いため、再発予防への取り組みが非常に重要となります。 そのため、心臓リハビリテーションでは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師などで構成されるチーム医療体制で、運動療法を中心とした患者教育(生活習慣や疾患管理)を行います。
心臓リハビリの時期区分
心臓リハビリは入院から退院後の時期に応じて、急性期、前期回復期、後期回復期、生活期の4つの時期に分類されます(下図)。
急性期リハビリ
急性期リハビリは病気の発症や手術で入院となり集中的な治療が行われる時期です。 この時期は点滴や内服などの医学的治療と並行して座位・立位・歩行などを始め、安静による運動機能の低下を予防することが目標になります。
回復期リハビリ
回復期リハビリは急性期治療が終了し、日常生活能力の再獲得を目標とする前期回復期と、退院後の生活へ向けた準備と新たな生活習慣の獲得を目標とする後期回復期に分かれます。 特に後期回復期は積極的な運動療法の適応時期であり、心肺運動負荷試験 (CPX)の 結果を元に適切な運動負荷で運動を行うことが重要です。
生活期リハビリ
生活期リハビリは、回復期リハビリで得た身体機能や、疾患管理能力を可能な限り維持・向上させることが目標となります。この時期は在宅での運動継続が主体となり、社会復帰後から生涯を通して、運動を継続して行うことが重要です。
※入院中の患者さんで上記に当てはまらない場合であっても、主治医の指示に基づき適宜対応いたしております。